徳幸窯の特徴:素材・技法・職人技の融合が生む美と機能

有田焼の産地では分業制が一般的ですが、徳幸窯では成形、加飾、焼成に至るまでを自社で一貫して手がけており、柔軟で創造性に富んだものづくりを可能にしています。

多様な陶土を扱う希少な窯元

 

徳幸窯では、白磁用の磁土だけでなく、仁清土や黒土など複数種類の陶土を取り扱っています。有田地区では珍しいこの体制により、素材ごとの特性を活かした幅広い表現が可能となります。

多彩な成形技術と職人の卓越した手業

成形においても、ろくろ成形、たたら成形、圧力型成形、射込み成形など、用途やデザインに応じた多様な技法を取り入れています。特にろくろ成形は、専属の轆轤師・徳永榮二郎によって手がけられており、その高度な技巧が、器の美しさと完成度を際立たせています。その他の成形も、それぞれの専門職人が丁寧に対応し、複雑かつ繊細なフォルムを実現しています。

高度な転写技術による安定した美しさ

加飾においては、特に転写技術に優れており、柄の位置決めや貼り付けの精度、焼成後の発色管理に至るまで一切の妥協がありません。職人の目と手により調整された工程では、機械と手仕事の融合によって、量産でありながら一点もののような表情をもつ器が生み出されています。

還元焼成・酸化焼成の両方に対応できる焼成体制

徳幸窯では還元焼成用の窯だけでなく、酸化焼成が可能な窯も備えています。これにより、商品ごとに最適な焼成条件を選択できるため、色彩や質感の幅が格段に広がり、より多彩で繊細な表現が可能となっています。焼成の種類を使い分けられることは、品質の安定性やデザインの自由度を高める大きな強みです。

一貫体制が生む、信頼の品質

 

このように、陶土の選定から成形、加飾、焼成に至るすべての工程において専門性の高い職人が携わることで、徳幸窯では実用性と美しさを兼ね備えた高品質な製品が生み出されています。多様な技術と体制を備えたものづくりへの取り組みは、国内外の料理人や器の愛好家から高く評価されています。

成形

生地作り

絵付け